兄からロードレース用の自転車、ロードレーサーを貰った。マウンテンバイクとシティサイクルにしか乗ったことがなかった私にとって、とても魅力的な乗り物でした。元々、運転が好きな 私だったので、日々乗り回していた。やがて、スピードを最大限に活かし遠くまで行こうと考えるようになった。そして計画を立てずにテントやシュラフを自転車に積み、鍋やフライパンセットも鞄に詰め込み8月7日、早朝から自転車で駆け出した。
家族旅行では国内、海外と色々してきた。しかし、今まであまり1人旅というもをしたことが なかった。そんな私にとって1人で旅に出てるという感覚だけで嬉しかった!とにかく246を 進んでいればそのうち富士山方面の看板が出てくるだろうと適当だった。
休憩も含めながら、ゆっくりと前へと進む。真夏の熱い日差しが容赦なく私に降り注ぐ。
そりゃ日焼けだってしますよ。あまり資金を使わずに旅をするのが目的でもあるので、休憩時のアイテムはガリガリ君(笑)冷たいし、安いし私を満たしてくれた。
お昼過ぎには御殿場を越えていた。意外と早く着くものだと感じた。とりあえずその日は 疲れたので、富士山近くのキャンプ場にテントを広げる。持ってきたフライパンでとりあえず 食事を作り食べる。1人でキャンプ場に来ることは初めてだったので、あまり準備がなされて おらず、暗くなってからのことを全く考えてなかった。そんな時、隣にキャンピングカーで 来られていたご家族のおじさんが、私にランタンを貸してくれた。さらに、
「若いから良く食べるでしょう!」と言い、豚汁を作ってくれました。
優しさとは何なのかを、こんなところで学びました。お腹も心も満たされました。その後、 きちんと鍋を洗いお返ししてその日は眠りにつきました。シュラフで眠る喜びをかみしめ、 星の瞬きを見つめながら・・・。
次の日、朝から近所に住んでる母の友人のお宅へと向かう。すると富士サファリパークの 無料招待券を頂く。せっかくだから、富士サファリパークに行くことにした。山の中にある その場所まで自転車で向かった。入り口に着き、「駐輪場はどこですか?」と聞くと店員は 「こんなとこに自転車で来られたのですか?」と驚いていた。確かに山道は凄かったけど、 自転車に慣れていた私にとっては問題なかった。汗は結構かいたけど。
入り口付近に止めさせてもらい、中に入る。あまり1人で来ないほうがいいなと悟った。 動物園を一通り見てからその場を後にする。それから富士山に来たから途中まで行こうと 向かう。どれくらい走っただろか、ひたすら自転車に乗っていた気がする。おそらく
3合目くらいなのだろう、それ以上は疲れで登る気になれなかった。
しばらく休んでからキャンプ場に戻り、晩御飯にした。今夜は鍋で炒め物をして食べた。 それから、近くの温泉に汗を流しに向かった。日差しでかなり焼けた肌にお湯は私を 痛めつけた。そしてテントに戻る。途中ではあるが富士山までいけた事を思いながら、 夜は更けていった。
翌朝、隣近所の人に挨拶をすませ、自転車に全てを乗せて自宅へと向かった。疲れていたが、足取りは軽かったように思える。知らない人に優しくされた事、道案内をしてもらったことなど、この旅は私を成長させてくれた気がする。いや、確実に大きくしてくれた!いずれは 日本全国を何らかの方法で旅して行きたいと思ったのであった。
日記より