「関東を周りたい!」それが旅の始まりだった。去年よりも今年の自分が成長したと言える 人になることをモットーに生活していた私が、去年の富士山よりもでかいことをしてやろうと  思っていた。夏休み全部をつかって日本縦断とか自転車少年はやっている。しかし、夏休み 全部を使えない私は、少ない時間ででっかいことをやろうと思い、関東を周ろうと思った。

 関東を周るにはどうするか軽く地図を見てみた。こんな感じに行けば行けるのではないかと考え紙に書き出した。修学旅行感覚で、計画を立てて実行と言う流れが嫌いだったので、  それはだけは避けた。一応この辺でテントを立てて、どのくらいのペースで進むと無理なく  行けるのか考えた。結構無茶があるが、若い頃は無茶ができるもの、その辺は適当に    すませた。

 旅行前日、友人から電話があった。「行く前に花火をしようぜ。」8/5に出発するとは友人に伝えておいたが、まさか前日遊ぶとは考えていなかった。しかし、花火をしにいった♪
若いうちは遊べる時に遊べとよく言われていたから、そうした。大勢で花火をしていて、    仲の良かった女の子に「無事に帰ってこれるようにこれをあげるよ」とビーズで出来た指輪を貰った。これが、後の旅行中に役にたった☆

 そして花火を終えて帰宅しようとした時、事件は起こった。自転車の鍵がない(笑)明日から出かけるというのに、その足である自転車に乗れない、そんな馬鹿な話があるかって思い  ながら、懸命に鍵を探した。友人の協力もあり、30分くらいで見つかった。明日から思い   やられるな〜と感じながら、帰り眠りについた。朝方4時には起床し、朝ごはんを食べ弁当を 鞄に詰めて家をでた。

 8/5、横浜からまずは山梨をめざして進んだ。相模原を越えて、中央道沿いの道で山梨に ぬけようと考えていたからだ。朝早くからで人や車が少なく順調に進んだ。天気は晴れ時々 曇りで快適な自転車の旅であった。自転車にテントやシュラフを乗せてひたすら走った。

 午後からは天気もくずれ出してきた、山梨の甲府に近づくにつれて益々悪くなりとうとう降り出した。雨具は大きなゴミ袋、自分の体と荷物を覆うように使用した。この日はテントを張る キャンプ場を予約していた。しかし、その場所が分からない。近くの地図もあまりあてになら ない。電話しても案内してくれなかった。地元の人は知ってるかと思い、近くのお宅の     インターホンを鳴らした。するとそこの人は知らなかったが、私の変わりに電話をしてくれて、 文句を言い出してくれた。「雨の中、分からないんだから迎えに来るぐらいサービスしなよ」と言ってくれたのだ。電話でやり取りするうちに迎えに来てくれることになった。その間、飲み物や果物を出してくれた。さらにお土産にぶどうまで包んでくれました。なんて優しい人の家に 訪ねたのだろうか。

 やがてキャンプ場の方が来てくれて案内してくれた。キャンプ場に着くと夜も遅いし、天気も悪いことから、バンガローを貸してくれた。テントを張るだけの使用料¥1000円を支払うだけで、¥5000円のバンガローを貸してくれたのだ。案内をしてくれたうえにバンガローまで貸して もらいとても親切な方々でした。

 8/6、朝から天気も回復し絶好の旅日和でした。旅の途中で考えたルールがある、せっかくだから、1日1県周ろうと考えていた。このひは長野に泊まっろうと考えた。もはや関東を越えているが、それは気にしないことにした。ものすごく自転車をこいでいると。タイヤがパンクしてしまった。なんと、修理道具を家に忘れてきたことに気がついた。このままでは進む距離が  減ってしまう。とはいえ近くに自転車屋さんがなく仕方がなくパンクのまま進んだ。夕方過ぎになんとか諏訪湖の近くの自転車屋を見つけた。そこで修理をしてもらった。修理を待っていたら、そのお店のおばちゃんが、「これを食べたら」って軽い晩御飯を出してくれた。パンクの修理をお願いしたら、パンクの修理の値段だけでフレームの曲がりやタイヤのゆがみなど整備してくれた。さらに近くの良い温泉を教えてくれた。

 かなり感謝の気持ちでいっぱいであった。それから、薦められた温泉に行き公園でテントを張ろうと準備をしていたら、ちょっと危ない人が公園に大勢来たので、ここにテントを張るのは危険だと感じて、移動した。とりあえずコンビニで座って考えていたら、おばちゃんが「自転車旅行してるの?今夜泊まるとこないの?良かったら家に泊まりに来る?」と言ってくれた。ここにお世話になってもいいかと考えたが、泊まってしまうと長野から次の県に行くのは時間が かかるから、「すみません、明日朝が早いのでご迷惑をおかけしますので。ありがとうござい ます」と丁重にお断りした。今考えると泊まらせてもらっても良かったかと思う。

 とは言ったものの、泊まる場所が見つからずファミレスに泊まった。2時に閉まってしまい、 出て行く羽目になった。そしてそこからひたすら自転車ですすんだ。新潟をめざして・・・。
日付も変わり8/7、天気は今までで一番良く快晴だった。国道沿いを走る途中で水路があり、そこで水を浴びたりした。そして長野の下の方から新潟を目指していた。そうこうしているうちになんとか新潟についた。夜中から走り出していたので160Km以上走った。休憩をぬくと   自転車に乗っていた時間は16時間くらいだった。

 新潟の六日町について、テントを張れそうな場所を探した。どこにもなくて場所がないので 仕方なく、大型スーパーの駐車場横の雨のあたらないベンチにシュラフを広げ眠りについた。
朝、警備員の方に起こされて、とりあえずお礼を言いそこを出た。8/8、午後から雨が降り出してきて、ゴミ袋を荷物などを包んだ。しかし、自分が着る袋がないので近くのお店で1枚頂いた。そして、またひたすら自転車をこいで進んだ。途中に温泉がありそこで休憩をしつつ福島県を目指していた。

 新潟から福島に行くには山を越えなくてはならず、トンネルとかが沢山あった中には工事の途中だったらしくライトすらなかった。自転車にライトを搭載してなかったので全く見えないトンネルと進まなくてはならず、とても焦った。そうして進んでいくうちに夜になり山道に霧がかかりそろそろ泊まるところをと考えていたら、キャンプ場がみつかりそこでやっとこの旅で初めて テントを使った。やっと旅といえるのかと思いながら、眠りについた。

 8/9、今日は鬼怒川温泉を目指して進んだ。大きな荷物を抱えて自転車をこいでいると色々な人に声をかけてもらったりした。車で横を通過する人が「頑張れー」とか「応援するよ〜」など様々な声援を頂いた。コンビニに入っても声をかけられたり、ちょっとした有名人気分であった。狭い道を走るうちに栃木の温泉街についた。地元の人の薦める温泉に入ろうと思い、安くていい場所はないかと尋ねると、屋形船の形をした露天風呂があるとこを教えてもらった。
そして夜も更けてきてテントを張れそうな場所を探す。なかなか見つからずコンビニの前で  シュラフを出して寝ようとしていたらお店の方が、「他を探してください」と言うので、別の    コンビニの 前で眠ることにして場所を移動した。怒られてから移動すればいいと思っていたら、次の場所ではなにも言われず、そのまま朝になった。

 8/10、とりあえず私の中で、栃木=宇都宮=餃子という式が成り立っていたので、宇都宮駅付近を目指して自転車をこいだ。途中でお店の駐車場でフリーマーケットをしている場所が あったので休憩がてらお店を見て回った。お腹もすいたし駐車場を持つお店、個人経営の  レストランに入った。他にお客も少なく店員の女性が荷物や外の自転車に興味をもって声を かけてくれた。「自転車旅行をしてるんですか〜?」そしてその女性はそのまま対面に座り  旅のこととか聞いてきてくれた。ずっと自転車をこいで1人旅をしていたので、あまり人と話す機会もなくとても嬉しかった。色々話すうちに「その指輪は誰からもらったの〜?」という会話になり、旅行前夜の花火の話などした。すると、「神奈川に待ってる友達がいるんだね〜なんか心温まるよ〜」といって関心して、奥から「これ食べなよ」ってお好み焼きを出してくれた。  「いい話を聞かせてくれたから」って。せっかくだからご馳走になり、帰宅時に飲み物代を  支払 おうとしたら、「安くしちゃうよ」と言い半額くらいにサービスしてくれた。お礼を言って  宇都宮に向かった。

 宇都宮に着き、餃子のお店に入り餃子とライスだけを頼み、食べた。さすが餃子の街だけにとても美味しかった。パリッとした皮に肉汁が詰まった餃子は安くて美味しかった。そして夕方、茨城に向かう途中で健康ランドを見つけ、そこでお風呂に入った。大きなお風呂がいくつも あり結構長い時間そこにいた。外に出るととても暗く、そろそろ宿を探そうと周りの地図などを眺めた。あまりお金をかけないこともこの旅の重要なテーマであったため、また野宿をすることにした。またコンビニの前である(笑)明るし、何かあったら、すぐに人が来そうだからである。そしてそこで朝が来るまで眠った。

 8/11天気は良好。たまには面白い場所を探そうと色々な場所を見て回った。しかし、1日1県は守ろうとしていたので、埼玉に泊まるか、千葉に泊まるか迷っていた。家にお土産を持って帰ろうとすると荷物の中でぐしゃぐしゃになってしまうと思い、お店から自宅に郵送してもあることにした。いくつかのお店をまわり、自分が家に着いた時に食べたいもの送ろうと考えて、  菓子折りを送ることにした。そして夜、またも埼玉の草加のコンビニの前で泊まった。

 8/12、コンビニで寝たのが悪かったのか、蚊に刺された。医療道具を持ってこなかったのでとても痒かった。薬局で買えば済む話であるが、何故か「あっ引き出しにしまった気がする」と思い。埼玉から急いで東京を越え、神奈川の自宅に向かった。お昼過ぎ、自宅に着き荷物を整理していたら、前日に送ったお土産が届いた。びっくりさせようと思っていたが、私しかおらず、普通に終わってしまった。これだったら、送らなくても平気だったなと思いながらも、その お菓子をつまむ。

 この旅で色々な知らない人から優しさについて学びました。お世話になった方にこの場をかりてお礼が言いたいです。本当にどうもありがとうございました。あの頃から成長して、今でも旅をしていますと伝えたいです。とても楽しい1周旅行が出来ました。ちなみに総走行距離は約1000Kmで総走行時間は80時間くらいです。観光というより走り去ったという感じです。   でも達成感と満足感で一杯です。


日記より
 

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97,08/05〜12